2017年11月12日日曜日

長期の相場観:後半戦はvolatilityが上がる

11月第一週になって、「相場の後半戦が始まった」というコメントをFBに何回か書いた

振り返って認識したことは、長期相場の前半を終わらせたのは、2014年の夏からジワジワと始まった資源エネルギーの混乱だったということだ。



前半戦は、7年半だったと思う
2009年~2015年でピークを打ち、その後は調整期間


後半戦は、2016年半ばから始まったが、その期間は前半戦と同じ期間とは限らないし、同じ値幅とも限らない。
誰もまだ知らない

後半戦は主役が日中だと思っている。前半で出遅れている分のキャッチアップ相場になるのだろう。
追いかける者には勢いがある。そして勢いはover-shootを発生されるので、過大な勇み足をとがめる下落局面も値幅がでるだろう。上下のvolatilityは日中ともに大きいだろう

ドル円は、9月にFBに掲載した下図にあるように、上値抵抗線(紫色)と下値支持線(赤)に挟まれた三角形のどん詰まりに向かって行くのが、これから1年だ。



上下、どちらに抜けるかはまだ判定はできないが、抜ければトレンドが出るだろう。

株の水準は、9月に予想した「2019年9月=27500円」が見え始めたと思う
10月以降の相場だけを見れば、「3万円も簡単だ!」と思うかもしれないが、相場は「そうは問屋は卸しません」という事だと思っている。


2017年11月2日木曜日

For Starters & Beginners

Starters & Beginnersに読んでほしいこと

1:投資は手間暇が報われやすい

2:価値を生み出す3分間

3:セルフ・コントロール

4:保有銘柄数は少なくしましょう

5:「心・技・体」が大きな輪でバランスすれば、投資で成功する

6:自分の目標と競争しろ、他人と競争するな

7:記録を残して成果を測定するのは恥ずかしいが、成長の糧になる

8:投資は、素直な心との戦い

9:人間の努力を信じて前向きに考えよう

10:似て非なる二つの「動かない」こと

11:

12:


Beginnerを卒業した人へ

Biginnerを卒業した人に読んでほしい事 または、卒業試験みたないな事

1:待つ時間の過ごし方

2:歯を食いしばる、、これが長期投資の意味

3:確信度が増すから株価が上がる

4:株価と「心」の方程式

5:PERは信頼と安定の通知表

6:投資判断には、感情が必要である

7:株式投資では何を当てれば儲かるか?

8:高い好奇心が、成長エンジン

9:売りが上手になれば、一流です

10:郷に入っては、郷に従え

11:能力以上のことをやらない

12:かぎ分ける能力、そぎ落とし切り捨てる力

13:PBRを投資指標にする際の留意点

14:PERを投資指標にする際の留意点

15:PER x 予想EPS = 株価

16:PER&PBRに関連する周辺的なこと、でも重要なこと

17:

投資判断には、感情が必要である

多数説は、『感情を廃することが、正しい判断につながり、好パフォーマンスを生む』と考えていると思われる。

私は違う。投資を業として始めたときから、感情を廃することに違和感を覚えてきた。
感情を正しく観察することが、好パフォーマンスをもたらすと信じている。



2冊の本の中に、『やはり、私の考え方は間違ってはいなかった』と思わせる部分を見つけた。うれしかった。一冊は、『心と脳の地形図』(上の写真)である。もう一冊は、『人はなぜお金で失敗するのか』(下の写真)である。



『心と脳の地形図』によれば、感情は人間の判断活動に不可欠であり、感情が無ければ判断不能に陥るのが人間の物質的特性だそうだ。
感情を持たない人工知能(AI:Artificial Intelligence)は、おそらく不完全で危険な(暴走を止められない)存在かもしれない。


『人はなぜお金で失敗するのか』は、近年急速に脚光を浴びている『Behavioral Finance(行動ファイナンス・行動経済学)の本であり、“実は非合理的な特性を持っている人間の判断・行動”について書かれている。

“すべての情報を瞬時に合理的に判断して行動する人間を前提とした古典的な経済学を正しく修正するものである。


なお、もっと古典的な経済学は、非合理的な人間の特性を加味してあったらしいが、計量的な経済学の邪魔になるという理由で、すべて合理的という単純前提化<してはいけないのに>してしまったようだ。ある意味では経済学は昔にもどりつつあるとも言える。



さて、2冊の本に書かれたことをベースに、私が信じてきたことを記述します。
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人間は本質的に心の安定(安心の感情)を求めるようにできている。
感情が安心を求める時には、正しい・合理的な決定よりも、心の安定をもたらす判断・行動を優先してしまう
心の安定は、生物としての人間が求める『満たされるべき欲求』の中で優先度が高いのである。特に非通常の事態ではそうである。生物として安定した感情を求める人間には、時として、一見非合理的な決定・行動が必要になるということである。

特に、不確実性が高いような状況では、人間は非合理的になる確立が高いということは、株式投資の銘柄選択・売買タイミングに関して、相場の大幅な上昇・下落の状況での投資判断などが、まさにその最たる例だろう。

“なんで、こんな時に!こんな銘柄を!買って(売って)しまったのだろう???”という事例が多いのは人間の判断・行動特性から当然の成り行きなのだ。

『心と脳の地形図』によれば、感情は、物事を天秤にかけたり、評価するのに必要である。合理的な対応が複数浮かんできた時に、そのうちどれが正しいかを選定するのが感情である。人間の脳では、わかること(感覚・知覚)の上位に感じること(感情)が位置している。

このように、感情が決定を支配しているがゆえに、心に通常以上の圧力がかかったりする際には、一見非合理的な決定・行動を迷わず選択するのである。
なお、私たちが能動的に何かをすることとは、感じることである。
そして、感情の本質とは、『危険から遠ざかり、利益になるものに近づこうとする生き残りのメカニズム』なのである。
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2017年10月24日火曜日

8-9月の情報収集:FinTech, Bitcoin, Blockchainと金融


1:フィンテックの効能
(1)フィンテックとは、利用可能なデータの分析&活用のレベルを引き上げる技術である。
データを分析することにより、
見えなかったものが見えるようになる。
その結果としてこれまでは
できなかったことができるようになる

 
(2)またフィンテックによりトランザクション・コストが激減するので、その結果として安くて安全な金融サービスが生まれる
同時に当然起こることだが、高価格&高マージンの既得権に安住するグループは衰退を余儀なくされる。


2:不動産と人件費の高さが日本経済の発展を阻害していたが、失われた20年のおかげ+アベノミクス効果で、日本のビジネス環境は好転した
1990年代以降の日本ではビジネスが困難だった。
土地や不動産の賃料が海外に比較した絶対レベルで高く、人件費も高かった。加えるにデフレ圧力があった。これでは、企業からすれば、コストが高いのに、デフレのために売り上げが伸び悩むことを意味した。

そのために欧米企業は、トップ・ラインの伸びが期待できるアジア・中国・インドを目指してビジネスを展開した。企業には名目成長が必要だからだ。

しかも、3.11の震災が起こりカントリー・リスクを考慮しなければならず、外資系の日本支社長は欧米本社の社長に対して日本でのビジネスの拡大提案をする際に苦慮してきた。

アベノミクス以降ようやくデフレ圧力が弱まり売り上げの伸びが期待できるようになった。また、長期間にわたる不動産価格の下落や賃金の伸び悩みと超円高の修正により海外比較でのコストも改善された


 3:質的に変化したビジネスの考え方、組み立て方
アベノミクスの数年前から時代が変わり始めていた。
企業中心(日本的に言えば、お上&企業の上から目線)の時代がユーザー中心の時代に変わったのだ。「The Age of Customer」と呼ばれている。
過去と異なり、企業とユーザーが直接つながるようになった。
企業の商品やサービスに関する情報がインターネットを介して、ユーザーに直接提供することが可能になった。しかも、それまでの仲介者を通じて提供していた時よりも遙かに膨大な量の情報を簡単に分かりやすく詳細に伝達できるようになった。


4:変化の事例
(1)車の購入プロセス
以前は購入までにカー・ディーラーに平均7~8回行っていた。
どの車が自分に適した車かを判断するための性能と価格の情報を得るには、複数のディーラーに行く必要があった。ディーラーのセールスマンは車に関する情報を顧客に分かりやすく伝達するスキルが求められた。

今は、違う
インターネットを通じて、自動車会社から詳細な車に関する情報が入手できる。
自動車評論家からは、性能と価格に関する他車との比較情報がタイムリーにネットに掲載される。
自社の車しか知らないディーラーのセールスマンよりも、車の購入に役立つ比較情報は顧客の方が豊富な時代になった

顧客がディーラーを訪問するのは、最終的な決断をするために必要なオプションなどを含めた価格とファイナンス(ローン、リース、現金)情報を得るという部分がほとんどになっている。
 つまり、ユーザーが必要とする情報が変化したのだ。

(2)Lifetime Value
コンビニに関してだが、都心部では、来店客の70%が通りすがりだが、郊外では、70%が地元の人(=community構成員)だ。
郊外店舗では、communityの持つLifetime Valueが重要になる。communityに対して半歩先回りして商品やサービスのsuggestionをする戦略が効果を発揮する。
それにはcommunityの構成員に関するデータが必要だ。年齢、性別、家族構成、買い物の種類、購入パターン、金額などは、宝物データだ。

Lifetime Valueとは、企業と顧客が継続的に取引をすることによって、顧客が企業にもたらす価値(利益)を指す。 Lifetime Value(ライフタイムバリュー、LTV)やCustomer Lifetime Value(カスタマーライフタイムバリュー、CLV)とも呼ばれる。

セールスフォース社(CRM)とライザップ社(RIZAPのコラボビジネスだが、
痩せると着る服が変わる、前向きの服装をしたくなる、前向きの人生を生きたくなる、RIZAPは単に痩身ビジネスだけにとどまらない。
痩せることによって明るい人生をエンジョイできる。別の人生が開けるのだという提案をする企業なのだ。

それそれ、それが欲しかった、それが着たかったという服の提案は、個々人の身体データを持っているから可能なのだ。
10kg痩せると、こういう服が似合いますよ!というインセンティブをユーザーに持たせることもできる。

様々な分野に関するアイディアを長期的に継続提案できる。これも、userlifetime valueに着目した事例だ。

(4)つけ払い
GMO Paymentは、ZOZOStart Today社)と組んで「後払い=つけ払い」を始めたが、顧客個人ごとのの購買&支払いデータを持っているから、正確な支払信用の判定ができるのだ。
安易で無謀な信用供与をしているのではない。
 GMO Paymentが提供する決済サービスのマージンは85%である。

以上の事例に共通するのは、「データ」と、その「分析&活用」によってこれまで以上の付加価値を生み出しているという事だ。
 

5:金融機関は膨大なデータを保有している
(1)金融機関は膨大なデータを保有している。
部外者から見れば羨ましい
しかし金融機関、特に銀行の人は「止まらない正確なシステム」という点にばかり興味があって、ユーザーの利便性、ユーザー目線でのアプリ開発には興味がなかったと思われる。

だからこそ、「ユーザーの利便性、ユーザー目線でのアプリ開発」をしてきた我々部外者がお役に立てる、と考えている。

(2)例えば、住宅ローンの時に収拾する個人データは宝の山だ。
その顧客が来店する時に、入口のカメラが画像認識して、支店長室へ案内するか、ATMへ案内するかを、即時に判定して対応することは、今でも可能だ。
どの顧客が自社の利益に貢献するのか、それに応じた顧客対応、顧客サービスを実行すべきだ。
それが可能なのに、やろうとしない、興味がない、実に不思議だ、モッタイナイ。

(3)激減したコスト & 目に見えるようになった効果
データ・マイニングは昔からあった。
かつては、1ギガ当たり1億円というコストだった。しかも成果は小さかった
何かやろうとすれば、300~500億円の予算が必要だった。
今は、1ギガ100円だ。それに成果も大きい。数億円の予算で昔の100倍以上の成果が得られるのだから、費用対効果で言えば、効果は100万倍、コストは1/100万になったのだ。昔のイメージで、「無理だ」とか「高い」とかのイメージを持っているのが銀行の経営者かもしれない。

大幅に低下したコストと劇的に向上した成果を考えれば、やるやらないの判断の時期は終わり、ライバルに負けないためにやるのは当然であり、ライバルよりも早く大規模にやるフェイズになっている。
 
(4)すべては、ユーザーのために
銀行が利益を得るために必要な「システム予算の使い方」だが、最優先は顧客が使う業務アプリ開発だ。特にスマホで使いやすい業務アプリだ。
しかも、圧倒的に素早く出す、シンプルに出す、どんどん改良する、という点で他行を圧倒的に凌駕すべきだ。

(5)Time to Market
しかし邦銀のスピードは世界一遅い。非銀行の企業経営者という我々の立ち位置から観察して感じるのは、「やらなくても当面は困らない、政府から守られているから、規制という参入障壁があるから大丈夫、という意識」がいまだに残っていることだ。
海外の銀行や、日本の非銀行の事業会社にスピード感で負けていることを真剣には認識していないようだ。

何でも全て自分ですると、Time to Marketで世界のライバルに負けてしまう。それほど商品やサービスを出すまでのスピード感が求められる時代になった。しかも、短期間で顧客を満足させるレベルの完成度の商品やサービスをローンチするには、期間あたりに投入する「人(システム人材)、物(システム気合)、金」は大きくなっている。

それを一人でやるのではなく、データを持っている銀行とデータを解析するスキルを持っているIT企業が協業すれば、Time to Marketで勝利できる。
メガ銀行は自尊心があるので小規模、部分的にしか協業をやらないが、中小銀行は背を腹に変えられないので決断し始めた。

少なくとも中小銀行に関しては自前主義が不可能なポイントを通過してしまったのだ
日本政府が合併や統合を推進していることは非銀行の企業経営者からすれば非常に納得できる。
中小銀行には手に負えなくなったのが、現代のITのスピード感とシステム規模だと思う。
現在福岡銀行、横浜銀行、北國銀行と顧客向けのサービスの開発をGMOペイメントでは担当している


6:BlockChain & Bitcoin
(1)Fintechを代表するブロックチェーン技術に基づくビットコインだが、決済メカニズムとしては革新的である。
その安全な暗号処理により、偽装決済に対する安全性が高く、また、決済コストがほとんどゼロであることを考えれば、2~6%もの手数料を徴収しているクレジットカード会社、電信送金会社は厳しい競争にさらされるだろう。

(2)ビットコインが通貨の代替の役割を果たすと考える支持者は、「マネーの管理は、中央銀行の総裁や理事会という特定少数者よりも、広範なユーザー基盤の判断(=集合知、wisdom of crowds)と多数の目による監視の方が優れている」と主張する。
しかし、ビットコインのプロトコルは特定少数のプログラマー集団(=非集合知)によって決められており、支持者の主張には矛盾がある。
 
通貨を置き換えるには、大量に存在し誰でも自由に使える存在でなければならない。また物やサービスの交換流通という経済における信用流通の受け皿になるには価値が安定していなければならない。
現状では、量は少なすぎ、価値は不安定すぎる。

(3)ビットコインの新規発行者(ビットコインのトランザクションの認証行為者、採掘者・マイナーと呼ばれている人に認証の対価として新コインが与えられる)は社会全体に責任を持つ公人ではなく、強欲者と紙一重の投機家に近い性格を持っている。
利益追求(強欲と恐怖の振り子)によって動かされるビット・コイン・システムが、政府や中央銀行の政策よりも、安定した社会経済および金融システムを生み出すと、ビットコインの多くの支持者は強く主張しているが、説得力に欠けると思われる。

(4)ビットコインの総量が規定されている結果、新規のビットコインの発行が終わる2144年以降は、ビットコインの所有権移転トランザクションを認証する行為が激減する可能性がある。つまりシステムが維持されないリスクが生ずる。

ビットコインの新規発行によって得られる巨額の利益がシステム維持行為の対価になっているのだから、対価が消えると混乱が起きるだろう。
それを防止するために、発行総量を増加させると「現在の不換紙幣の増刷」と同じ結果(通貨価値の下落)が生じる。

(5)システム的な宿命
匿名性が優先されているので、ビットコインの所有者が設定するパスワード(秘密鍵と呼ばれる)を失念紛失すれば、保有は無に帰す。
秘密鍵情報が悪意の第三者に漏洩すれば、全てを失い、取り戻せない。悪意者から取り戻す公権力も介入できない。

8月に起こったビットコインの分裂騒動の原因は、取引量増加で取引の承認(マイニング)に時間的な大幅な遅延が発生し、その解決策としてのシステム更改が中心的なシステム開発者(コアと呼ばれる、ほぼUS人)と承認者(マイナーと呼ばれる、中国人が80%)との間で利害相反が起きて合意ができなかったのだ。


7:記録の信頼性、証明力
ブロックチェーンは基本的に「記録を残す」事に特化したテクノロジーだ。
ブロックチェーンは「記録を証明」する事ができる。
「証明」というのは今まで信頼のおける第三者によって行われてきた。遺言書は公証役場によって証明される。不動産や会社の登記は登記所に申請する事によって所有権が証明される。婚姻届けは行政によって成立・証明される。預金は銀行によって証明される。

しかし、ブロックチェーンでは、このような「証明」が第三者ではなく「ブロックチェーンに記載されている」という事実のみで行う事がシステム的に可能になっている。これがブロックチェーンーンの一番の特徴だ。

旧来のシステムは、国家によって規制された金融機関が信頼性を担保するが、ブロックチェーンは、改ざんできないというシステムの特性自体が信頼性を内包するということだ。

「証明」をする第三者が不要になる事で第三者に支払うコストを負担する必要がなくなる
 既存の金融機関のシステムの中にブロックチェーンを取り入れる事で「記録を残す」作業を効率的に行う事ができるようになる。

今までサーバーを利用してデジタルデータを残していた金融機関が記録をブロックチェーンで残す事によりサーバーコスト、記録管理コストを削減できるようになり、その削減分のコストメリットでより安価で高品質なサービスの提供が可能になる。

例えば銀行がブロックチェーンで顧客資産を管理する事で手数料を抑えると共に管理に対する人間の操作が少なくなる事で営業時間外でも振り込み処理等を行えるようになる。

このような個別企業の管理者の下で利用されるブロックチェーンを「プライベートブロックチェーン」と言う。


2017年10月19日木曜日

知らないこと、判断していないことは、撤退の判断もできない

製造業の不祥事があいついでいる。
東芝、日産、神戸製鋼所、


春山は思う、日本人は馬鹿ではない
多分、真面目で優秀な民族だろう

しかし、戦後のパッシブ経営、お上依存の受け身姿勢の恩恵が40年ほど続いたので、恩恵が消えた1990年代以降も戦前のアクティブ経営や自己責任経営に戻るのに時間がかかっているのだろう

「合意形成」とか「和を持って貴しとする」等という美辞麗句の元、部下に調べさせ決めさせ、俺がやったという冠だけラッピングして自分の成果にする悪い意味でのサラリーマン経営者が増えたのだろう

順調な時は鼻高々だが、思わしくない状況に陥った時に、なにをどうして良いかの判断が出来ずに立ち往生する

部下は言われたことしかやらないのが普通だし、ましてや撤退の判断の決定権など持っていない。

自分で調査判断していないから状況判断も他人依存になって遅れるし、ましてや自分を否定する撤退など決められない。。。臆病すぎる経営者がふえたのかもしれない

結局、全員が傍観者になって事態はさらに悪化する

勿論、自分です関与して中身も熟知して判断実行する経営者もいるが、それは中小企業や創業者社長だろう

時代は変わったし、今後も変化を続ける。
ごく一部の例外はあろうとも、環境の変化に対応して自己変革できる生物だけが生き延びてきた地球のルールはこれからも永遠に有効であり続けるだろう

2017年10月16日月曜日

春山ルール_42:なんとなくを捨てる

その会社の商品やサービスに関する記事を読んだ時に起こる事だが、
なんとなく良いと思ったので、その会社の株を買う

(1)「そして、その後なんとなく商品やサービスが悪いと思うようになったので売った
これは一応対応関係が明確だ、損得の結果は別にして

(2)しかし多くの場合買った直後から、買う前には見てもいなかった日々の値動きを追うようになる。刻々と変化するチャートの上下動に一喜一憂するようになる
挙句の果ては、買った理由に対応しない「値動きという理由」で売ってしまう

投資理由が明確でない時には、こういう事が頻繁に起こる
多くの場合は損失を発生させる。
中級者になるまでは、買いの理由から「なんとなくを捨てる」ことがパフォーマンス向上に有効だと春山は考えている。

様々な経験を積んで上達したら、なんとなくを復活させよう!
知識と経験に裏打ちされた”なんとなく”は「確率の高い胸騒ぎ」だ。

低レベルのなんとなくは、一番最近見たモノに新鮮さを感じる条件反射に過ぎない。
その後に別のモノを見た瞬間に「その直前のなんとなく」に対して感じた胸のときめきは賞味期限切れになっている。
そんな条件反射のなんとなくを理由に投資をしていたら財産消滅一直線へ突き進むことになるだろう。


関連する過去記事1:定点観測の意味
関連する過去記事2:投資ストーリー

2017年10月15日日曜日

春山ルール : 目次

投資に関するルールは、作ろうと思って作れるものではない。
痛い思いを何回かして、「あー、こうしちゃイケナイノね」と徐々に思い知るものだ。
それは個人の性格や癖による部分も多いので、万人に共通ではないかもしれない。
小技みたいな領域のものから、そもそも論的な大きなものまで、雑多だ。

1.2Q連続でダメ決算、失望決算なら離脱する
2.6ケ月待て
3.PERは60倍が限度
4.パフォーマンスの足を引っ張るのは「後ろ髪」銘柄
5.不正を働いた企業には投資しない
6.べき論を排する
7.不調なら休む
8.現状を受け入れ、ゼロ・スタートする
9.自分の目標と競争しろ、他人と競争するな
10.何で儲けても百万円は百万円である
11.そういう事だったのね、株価は織り込み済み
12.変節点
13:失って初めて思い知る
14:気持ち悪くなったら脱出しろ
15:25%ルール
16:ペナルティはしっかりと受け入れる
17:計画通りに実行し続ける
18:飛び乗ったら、飛び降りろ
19:得意技で勝負しよう
20:金持ち喧嘩せずは相場のリズム
21:条件反射の「反対&disり」は損失への一本道
22:前回バブルの主役には触ってはならない
23:焼けボックイの深追いは無用
24:迷ったら大きい方へ
25:楽観と悲観の非対称性を知って売買する
26:ネガティブ思考人を避ける
27:リズムが合わないものを売る
28:何か発表するらしい = 悪い事
29:目的と手段を逆転させるな!
30:心やすらかな投資のためには、タイミングが重要
31:定点観測の意味
32:定点観測時のご法度
33:証券会社、販売会社に文句を言わない
34:怒りと嫉妬を排してバカになる
35:部屋が散らかっている人は金融詐欺に騙されやすい
36:個別判断の徹底
37:自分のスタイルを維持する
38:若い相場を見つけよう
39:株価の賞味期限は早く来る
40:決断直後の返り討ちに惑わされない
41:兎の売りと亀の買い
42:なんとなくを捨てる
43:
44:
45:


春山ルール_41:兎の売りと亀の買い

売りは脱兎のごとく素早く
買いは亀のように慎重に

投資家の多くは、心配性で慎重だ
だから株価は急には上がらない
羽音におびえて頻繁に下がる
だから、株価は懸念の壁をゆっくり長期間上る、と言われる

買いは慌てなくても良い
じっくり待って個別に下がった株を選別して買えば良い
その方が結果的には良いパフォーマンスが得られることが多い。

慎重さの裏側に潜むDNAは、恐怖を感じるとパニックを引き起こし、冷静さを失わせ、とにかく脱出するという投げ売り行動を発生させる。恐怖の原因は先が見えない不安感だ。
だから売りが売りを呼ぶ、なんでも下がる、そんな雪崩現象が起こる。
しかし、比較的短期間で冷静さは戻ってくる。

 株価は短期間で一気に下がる
ことになる。
売りは、四の五の言わずに一気に売らないと売り遅れて底を叩くことになる。

投資家の
DNAである、心配性、慎重さが、「売りは脱兎のごとく素早く & 買いは亀のように慎重に」という投資の格言を生んだのだ



2017年10月10日火曜日

人間の努力を信じて前向きに考えよう

2000年10月に友人の会社のコラム用に書いたエッセイです。
ブラックマンデーの事を思い出そうと、HDDの中、ブログ、色々検索していたら、出てきました。

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エピソード1 : ブラック・マンデー
 
株の投資を始めたのは1987年8月でした。
先輩に教えを請いながら投資を始めて2ヶ月ちょっと経過した10月19日、世界の株が暴落したブラック・マンデーがやってきました。

私の運用していた資金も
打撃をこうむり、その30%が一瞬で消えてしまいました。

世界の崩壊みたいなことを言う人もおりました。
しかし、その後約2年で元気な世界に戻りました。

経済や株は、
人々が必死に働いて達成しつつある姿を示しています。
人間は向上を目指して努力を続ける生物
です。

ですから、時間は私たちの味方です。
私がブラック・マンデーから学んだことは、『人間の努力を信じて前向きに考えよう。』という事でした。

現在の日本でも、向上心を持って必死に働いている人がいます。
そんな人が日本の多数を占める日がくる事を信じて、日々の投資活動に従事しております。

10th October 2000
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2017年10月4日水曜日

投資は、素直な心との戦い

素直な心が悪いというのではない。
素直な心とは、天才や変人を除いて、一般的には「感情、情動に支配されている心」である。

そんな素直な心は、以下のような状態になってしまいがちだ。

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相場が長期間上がっているときは、
もっとあがる事をサポートするような記事が目に入ってしまう。
そして、買い遅れてはいけないと感じてあせってしまう

相場が長期間下がっているときは、
もっとさがるのではないかと悪いニュースばかりが気になる。
そして、ここからさらに半値以下になってしまうのではと心配でたまらなくなる。

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こんな素直な心の自分を、
横から斜に構えて健全な批判精神で見つめるもう一つの冷徹な心の自分が必要だ。
きっと、血も涙も無い自分を内なる自分に中に抱えるのかもしれない。
嬉しいことなのか、悲しいことなのか、投資を継続することって・・・

私は素直な心の方が好きなんです。
感動している時間がすきなんです。
でも、そういう状態では、投資はうまくいかないのです。

2017年9月23日土曜日

思い出:ベルリンの壁

この日、私はロンドンにいた。

フランクフルトから、西ドイツの証券会社に勤務する日本人女性から電話が来た。
春山さん、私の職場のフロアのドイツ人みんな歓声を上げてる!
ねえ、聴こえるでしょ! 受話器を通して!

その少し前にBloombergにニュースのヘッドラインが流れた。

それは、1989年11月10日金曜日の夜、、そろそろ帰宅しようかという時間だった
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On the fateful evening of November 9, Lt Jager assumed command of the checkpoint at about 6pm after his superior officer went home.

Although he knew of the wave of anti-government demonstrations that had erupted in East German cities in the previous weeks, he had no inkling of what was to come.


His world was turned upside down less than an hour later when Gunter Schabowski, the normally assured spokesman for the ruling politburo, announced on television that travel restrictions would be eased and East Germans permitted to cross the border “effective immediately, without delay”.

2017年9月22日金曜日

春山ルール40:決断直後の返り討ちに惑わされない

何か変更を決断する時の状況は、「from側が冴えず、 to側が好調」である

変更の判断は長期的には正しくても、判断を実行した直後は短期的には「from側が盛り返し、 to側がスピード調整する」事が多い
返り討ちに会てしまい、判断が間違いではないかと困惑する

それを見てバタバタしてはイケナイ
じっくり調べて決めたことは、足元の付和雷同の思惑よりも、ほとんどの場合は正しいのだから

事前に判断していても、決断と行動をするには最終的なトリガーが必要だ
そのトリガーは、「from側が冴えず、 to側が好調」の状況でやってくる事がほとんどなのだから

2017年9月20日水曜日

佐藤CEOスピーチとQ&A ( September 2017 Mizuho Investors Conference )

佐藤CEOスピーチとQ&A ( September 2017 Mizuho Investors Conference )を聴いた春山的な拡張解釈です。

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1:既に見えているだけでも、フィン・テックの利用で年間500億円のコスト削減効果がある。
2:AI,ロボ・アドバイザーなどのフィンテックは対顧客戦略のメリハリを促進する。

3:富裕層勝ち組アラフォー以下の世代(20%の彼らが金融資産の80%を保有する)には、リッチな環境の対面サービスを向上させる。
それ以外の少額金融資産保有者にはネット&AI&ロボ・アドバイザーを使って非対面化で低コスト化を推進する

4:内外のフィンテック・ベンチャー企業とは、対等の立場(50:50のJV)で接してスピード第一で決断実行し続ける。

5:925日にローンチする新型ローンはフィンテックの成果の一つ
みずほ50:ソフトバンク50の「J.Score」が提供するが3個の特徴がある
(1)将来cash flow予測による査定、スコア・レンディング、従来のBSベースのリスク判断による貸し付けではない
(2)個人情報をユーザー自身の意思で入力することにより、貸出金額と金利が改善する
(3)Big Data + AIによる完全ネット・ベースのサービス

ターゲットは、今は資産を持たないが将来は高い確率で資産を形成する層を先んじて取り込むことだ。
勿論、現在サラ金が対象とする顧客層も対象にできるが、みずほのメイン・ターゲットではない
他行は参加にサラ金を抱えているので、このような新型ローンは既サラ金顧客から優良層を流出させてしまうインパクトをもつので、グループ内で異論が出る。だから導入の決断が遅れるだろうし、導入しても限定的にとどまるだろう。

今は資産を持たないが将来は高い確率で資産を形成する層とは、主として40代前半よりも若年で、積極的な人生、積極的なリスク・テイクの精神を持ち、資産を形成する確率が高い層を指す。
しかも彼らの親も勝ち組である確率が高いので、相続と同時に地銀・信託からの資金が流れ込んでくる確率が高い
  
6:電子マネーの活用が進むと、クレジットカードの利用と合わせて、現金を引き出すためのATMという役割がミニマムになるだろう。

また順次投入予定の高機能ATM(公共料金、税金の払い込みなどが無人で可能)の出現で、支店業務のほとんどが人の手から解放されると予想している。

それは、支店の場所という概念の根本的な再編を意味する。
利益に大きく貢献する人には深く広い対人サービスを提供し、利益にあまり貢献しない人にはATMで完結してもらうという峻別に適応した銀行が総合的な顧客の信頼を得るだろう。

「ATM支店」は多くの人が集まる利便性の高い場所に設置されるだろうし、コンビニATMで済ませてもらうことでも十分だろう。
一方、「対人サービス支店」は顧客のいる場所(オフィス街と富裕層の多い住宅街)に設置されるだろうが、目立つ必要がないので、ビルの2F以上の場所で高級な店構えになるだろう。

7:AI + Big Dataベースのアルゴ・トレーディングは、東大の松尾教授と共同開発しているが、実験段階を終えて、現在実装中だ

またブロック・チェーンを活用すれば、様々なトランザクション・コストが、20分の一になる事が判明しており、実用化に向けて検討している。

PER&PBRに関連する周辺的なこと、でも重要なこと

ニュースを見て「売りたい、買いたい」と思う理由
メディアに流れる情報を見たり読んだりした時に、「おー、これは買いだ!」とか、「えーだめじゃん、これ売りだ~」などと気持ちが一喜一憂する。
ニュース気持ちの間にあるものは、株価形成要因の変化
例えば、A社が伸び盛りの分野に新製品を投入する、そんなニュースを読んだ時に「おー、これは買いだ!」と思うのは、新製品の売り上げ増加が寄与して予想EPSが上方修正されて株価が上昇するハズだと心の中で判断したのだ。

一方、経営者の不用意な発言や従業員の不祥事が報道された時に「えーだめじゃん、これ売りだ~」と思うのは、その会社に対する信頼性が棄損することによりPERが低下して株価が下落するだろうと心の中で判断したのだ。

大量に流れるニュースに反応して株価がピクピク反応するのは、意図するか意図しないかに関わらず、投資家が予想EPSとPERの変化を察知して売買行動を起こした結果なのだ。

売買は影響力
1億株の発行済み株式数の大企業で
株主数が10万人という膨大な数を要している企業の株価であっても、たった一人が売ることによって株価が1%下がれば、他の9万9999人の財産価値も下がる
または、「1株だけ」買いたい新参者に、一人の株主が1%高く売れば、他の9999万9999株の財産価値も上がる

売買は価格変化という影響力を発生させる
たった一人、たった1株であっても、価格変化という影響力は全員に適応される


儲け(=利益)を観察するのが株式投資の王道
儲かっているか否か
儲かっている=利益が増えている
利益が株式投資に於ける最重要観察項目
だから、利益に関する指標であるPERが投資に重要なのだ

儲かっている時は付随現象として、売り上げが増える、稼働率が上がる、投資が増える、コストが下がるなどもあるが、あくまでも付随現象である。

これから儲かる、赤字が黒字転換する
これから儲けが増える、利益の増大
これから儲けが減る、利益の縮小
これを見極めれるのが、株式投資の王道

(1)儲かっている時は、売り上げが増えますか?
普通はそうである。
しかし、ライバルとの競争が熾烈で「値下してでもシェアを維持する」状況になれば、コスト割れの赤字販売に陥る場合もある。利益は急減し、ひどい場合は赤字決算になる。

だから、売り上げを株式投資の判断材料にするにしても、あくまでも付随的な位置づけになるのだ。

(2)儲かっている時は、稼働率があがりますか?
普通はそうである。
工場でモノづくりをするような産業は、その工場の最大生産量を生産する「フル・キャパ」状態ではない。
顧客からの注文増加や新規顧客の獲得に備えて、余力を残して生産している(=稼働率は100%では無い)のが一般的だ。
だから、顧客からの注文が増えると「同じ工場、同じ設備、同じ従業員」で生産量を増やすので、稼働率が上昇する。
しかし、一個前に書いたように、ライバルとの競争が熾烈で「値下してでも工場の稼働を維持する」状況になれば、コスト割れの生産増大に陥る場合もある。利益は急減し、ひどい場合は赤字決算になる。
また、投資家は稼働率が上がってくると「この工場はこれ以上は生産が増やせないから利益の増加も終わる」と判断して株を売却するので株価もピークする。

だから、稼働率を株式投資の判断材料にするにしても、あくまでも付随的な位置づけになるのだ。

(3)儲かっている時は、設備投資が増えますか?
儲かっている時は、受注が増えて、工場の稼働率が上がる。
製造キャパがもっと大きければ、さらに受注が増える可能性がある。

しかし、経営者は概して慎重だ。
景気が好転して受注が増え工場の稼働率が上がってきても、おいそれとは工場の規模を拡大したりはしない。
景気は上下動を繰り返すので、工場の規模を拡大した直後に景気の下降で完成した工場がぺんぺん草状態という「設備拡張が裏目に出る」事態を恐れるのだ。

経営者が強気になって設備拡張を決定するのは、景気サイクルの前半を超えて後半になってからの事が多い。
だから、設備投資の拡大を買いサインとして使うのは、賞味期限の短い投資になる確率が高いと春山は思う。

景気の改善を見越して先んじて工場を拡張したり従業員を追加採用するような先見の明を持った経営者は稀有である。

(4)儲かっている時は、従業員の採用が増えますか?
儲かっている時は、受注が増える。
営業担当や製造担当の人数がもっといれば、さらに受注が増える可能性がある。
しかし、経営者は概して慎重だ。景気は上下動を繰り返すので、採用を増やした直後に景気の下降すれば、「増やした従業員を遊ばせる」事態になることを恐れるのだ。
経営者の従業員に関する行動パターンは、
1:まずは残業を増やしてビジネスの繁忙に対応する。
2:それでも不足なら、パート、バイト、派遣社員などの非正規雇用で対応する。非正規雇用なら、需要が減退に応じて速攻で減らすことができるからだ。
3:労働市場がひっ迫して、非正規雇用の時間給が大幅に上昇したり、人数の確保が困難になって人出不足が深刻化して初めて、正規雇用を増やす。
ビジネスが下降局面に入った時、機械は止めることができる非正規雇用は切れる、しかし正規雇用の従業員は雇用を維持しなければならない。
正規雇用は長期にわたって賃金や福利厚生コストを払う「超長期の設備投資」のようなコスト・アップ要因なのだ。
設備投資と同様に採用増加の決定は、ビジネス・サイクルの後半になってからの事が多い。

だから、従業員採用拡大を買いサインとして使うのは、当たり確率の低い投資判断だと春山は思う。

株式投資も民主主義も心髄は参加主義
「今の株価は割高だ/割安だ」と思っていても、その意思に基づいた売買を実施しなければ、株価に影響を与えることはできない
longまたはshortのポジションを構築したあとは、待つ時間になる。
ポジション構築後の待つ時間は、自分の判断を信じてじっと待つのだが、「自分の判断を検証するためのアンテナ」を高くして待つのだ。
ポジションを構築したら、それを忘れて旅に出ればよい、、などと言う人もいるが、99%の投資家はそれでは成功できない。
自分の判断のすべてが正解とは限らない。
間違い判断は、早期に発見して、早期に撤収(=損切り)すべきなのだ。
株式投資と民主主義は似ている部分がある。
株式投資は「売買」、民主主義は「投票」という行為で意思表明を実行する。
株価や与野党議席に影響を与えるのは、売買や投票の瞬間だけだ。
しかし、投資の世界も民主主義政治も売買や投票に「至るまでの意思決定の過程」が重要なのだ。
様々なことを熟慮したうえで判断してから、売買や投票をするのだから。
そして、売買や投票を実施した後の観察が重要なことも似ている。
思った通りの株価動向になっているか、思った通りに政治家が行動しているか、、、それを事後チェックで監視するのだから。
意思決定までの過程、判断、実行、事後チェック、、この一連の過程が株式投資や民主主義政治に「参加すること」だと思うのだが、その底流に流れる心髄は似ていると思う。

証券アナリストの上方修正のパターン
アナリストがEPSを上方修正する、目標株価を引き上げる、それに反応して株価が上がる。
その様子を観察すると一定のパターンを認識できる。

(1)最も強気の数人のアナリストが常に先に上方修正し、それに呼応して株価が大幅に上がる。
例えば・・・
昨日終値:100
目標株価変更:110→120
本日株価動向:100→105、+5%
(2)少し遅れて、例えば一日遅れで、普通のアナリスとも上方修正するが、少ししか上がらない。
昨日終値:105
目標株価変更:105→110
本日株価動向:105→106

(3)最後に弱気のアナリストも上がった株価を見ながら次のような苦渋の目標株価の変更レポートを書く
本日終値:106
弱気アナリストの目標株価変更:90→100
これに対しては、市場は無反応だ
ハズレているアナリストには市場は反応しないのだ。
上昇している時の株価とアナリストの関係は、上記のようなパターンが多い。

証券アナリストの下方修正のパターン
証券会社のアナリストは、なかなか下方修正をしない
正確に言えば、ダメだと思っても書面では直接的に売りという言葉を使って書かないように教育(?)されている。
その背景は、直前までセールス部隊が「コレ買いましょう!」と営業して客に買わせているのだから、「はい、今日から売りです」などとは、おいそれとは書けないのだ。
もっとも多いパターンが
1;buyを維持したまま、予想EPSと目標株価を少し下げる
アナリストとしては、「あんたら、証券会社の書くレポートの癖、決まり事ってわかるよね、知ってるよね、株式投資の初心者じゃないのだから」という気持ちだと思うし、春山も株式投資の世界はそういうルールだと認識して売買判断すべきだと、現時点では思っている。将来はわかりません。
2;buyをholdに格下げする
「holdなのだから売る必要はない」と顧客が判断(誤解)するのは、投資家の自己責任
証券会社のアナリスト世界の暗黙の常識では、holdなんて投資に値しないという意味だと春山は理解しているけどね
3;ダンマリ
起こっている事実だけを解説して終わり
これが最低のアナリストだね
4;下がったのは買いのチャンスだと、自分の主張を変えない
まあ、これは許せるね
下方修正は不要だ、、、それも投資判断なんだからね

現状では、春山は以下のように考えている
1;売りは誰も教えてくれない、少なくとも書面では
2;自分で判断するしかない
買いは、色んな人が、プロもアマも含めて情報発信している。
でも、売りの情報発信は皆無に等しい

2017年9月19日火曜日

目次:株価を形成する指標としての「PBR」&「PER × 予想EPS」

1:PBRを投資指標にする際の留意点
2:PERを投資指標にする際の留意点
3:PER x 予想EPS = 株価
4:PER&PBRに関連する周辺的なこと、でも重要なこと

関連する現実の動き
1:PERは信頼と安定の通知表

PER x 予想EPS = 株価

PERは状況に応じて変動する
 その企業自体の利益見通しの状況に変化がなくても、その企業の属する業界を取り巻く環境や見通しが変われば、その企業に対する投資家の見方が変化するので、その企業のPERも影響を受けて変化する
日本全体、もしくはその業界全体を取り巻く環境が楽観的であれば、その企業のPERも影響を受けて高くなる。悲観的であれば低くなる。
 
一方、日本全体もしくはその業界全体を取り巻く環境が不変でも、何らかの要因でその企業の独自要因で人気になれば、その企業のPERは高くなり、不人気になればPERは低くなる。

期待、失望などの心理的な側面(=思惑)が、PERを上下動させるのだ。

楽観・悲観はPERを上下動させるだけでなく、業績予想(予想EPS)にも影響を与える。
業績予想はその環境をベースにして計算されるのだが、将来環境が変化すれば算出される予想EPSも当然変化する。

日本全体もしくはその業界全体が楽観的、またはその企業が人気化していれば、予想EPSは上昇する。
反対に、日本全体もしくはその業界全体が悲観的、またはその企業が不人気化していれば、予想EPSは低下する。

つまり、ビジネス環境が好転し追い風が続きそうだと投資家が期待すれば、予想EPSとPERの両方が同時に切りあがる。だから株価は加速的に上昇する。
逆に、
ビジネス環境が暗転し逆風が続きそうだと投資家が危惧すれば、予想EPSとPERの両方が同時に下落する。だから株価は急降下する。しかも、下落は上昇の三倍速だから、下落は暴落的になる時がある。

予想EPSとPERの両方が同時に上下動するだけではない。
「予想EPS×PER=株価」の式の左辺の予想EPSのは基準時点がある。
2018年3月期とか、2019年3月期などがそれだ。

ビジネス環境の上下動は予想EPSの基準点をも動かしてしまう。
2017年3月末の実績EPS=100円、
2018年3月末の予想EPS=120円、
2019年3月末の予想EPS=150円

という状況で、今日が2017年9月30日だとして、

株価を形成する予想EPSは、
1:2018年3月期の予想EPS×PERなのか、
2:2019年3月期の予想EPS×PERなのか、
3:その中間的なものなのか、

そして、それがどう変化するのか?
10月15日の株価が1800円の場合、
実績EPS、100円×18倍=1800円
予想EPS,120円×15倍=1800円
予想EPS,150円×12倍=1800円
となるが、どの組み合わせが正解なのか?

その正解を決める「権威をもったモノ=お上」は存在は無い。
正解は、どこにも発表されない、誰も知ることができない
「こういう組み合わせで株価を認識すれば現在の株価の説明として納得できる」と各投資家が意識してもしくは無意識に考え判断して売買オーダーを出しているのが市場だと春山は考えている。

春山は、1年後の予想EPSを使う事を基本にして判断作業を開始することを基本にしている。
1年後とは今日(例:2017年9月30日)から1年後(2018年9月30日)だ。決算の3月末ではない。
2018年3月末の予想EPS=120円、2019年3月末の予想EPS=150円、という想定では、2018年9月末は、両者の中間点になる。
妥当株価を算出する時に使う予想EPSは、(120+150)÷2=135円となる。

株価が1800円であるなら、PERは1800÷135=13.3倍と認識する。
これはあくまでも春山方式であって、誰かに認定されたものでも多数意見でもない。春山は、これを起点にあれこれ調整を加えながら考え判断している。

そんないい加減なモノを投資の尺度にしてはならない。
人心を惑わすPERは業界から追放だ。
そんなことを言っても、それは間違いだ。
各種の投資手法の中で、もっともマシな指標がPERであるからだ。
PBR、PSR、配当利回り、は適応できる企業が少なすぎる
投資家なら、最もマシな道具を使いこなす、それが嫌なら自分は投資に向かないと考える方が良いだろう。


さて、織り込まれる予想EPSの「基準点が前後動」するとは、妥当な株価の判定に際して・・・・
1:楽観的な状況では、1年後EPSではなく、2年後EPSを使うという「より遠い将来」の予想EPSを使って妥当株価を計算する
2:悲観的な状況では、1年後EPSではなく、半年後EPSを使うという「より近い時点」の予想EPSを使って妥当株価を計算する
・・・・という事である。

どの程度、基準点が動くのか?
それは、
1:そのセクター、その企業の過去実績をベースにして
2:最近の株価の動き、およびそれが示唆するチャート的な観点での将来株価とのフィット感を確認する
・・・・
という作業を通じて合意が形成されることになる。
この作業を数学的と考えるか、アート的と考えるか、人それぞれだろう。
「数学が正しく、アートは間違い」とか「アートが正しく、数学は間違い」とか、そういう一方的には春山は考えない。算数的なアートだと思う。

<< ここまでのまとめ >>
1:株価が織り込んでいる予想EPSとPERの組み合わせに関して、その正解を知ることはできない、正解が誰かによって決められるものでもない。
唯一の正解というモノは存在しない。
2:1年後の予想EPSを使う事を基本にして判断作業を開始すると良さそうだ
3:予想EPSや織り込まれるPERは、経済や企業に対する楽観方向/悲観方向という環境の変化を受けて上下動する。
4:織り込まれる予想EPSの時間的な基準点も前後動する


一神教はダメ、郷に入っては郷に従え
ビジネスが異なれば、評価基準も変わる。
セクターが異なれば適正PERの水準が違うのが一般的だ。
にも拘わらず、すべてを同一基準で判定するのは、野菜と、肉を同じ基準で扱うようなものだ。
肉と野菜は、売り方、単価基準、利益率などが異なる
何でもすべてを同じ方程式に当てはめようとするのは一神教のような融通の利かないやり方であり、投資では失敗一直線だ。
ビジネスが異なればそれを律する神も異なるのだ。投資の世界は多神教、郷に入っては郷に従う生き方でなければ、多くの投資成果を得ることはできないだろう。


金利の上下動は、言われるほどにはPERを動かさない
金利の上下動はPERを上下動させると言われるが、春山はかなり小さいと感じている。
金利の上下動は将来収益(配当+留保利益)の「現在価値に換算する際の割引率」の上下動だから、将来EPSの合計現在価値を上下動させる。
また、借金の多い企業の株価が金利上昇で下落するのは、金利コストの増加でEPSが減少する悪影響が株価に織り込まれるからだ。つまり、業績の下方修正が発生して株価が下落することになる。

バブル期とバブル崩壊期では金利の大幅な上下動が伴う事が多いが、このフェイズでは金利(大幅な緩和、もしくは急激な引き締め)がPERを上下動させる。
バブル期およびバブル崩壊期では、株式市場全体が強欲的楽観と恐怖心理に覆いつくされるために、個別株要因よりも市場全体の要因でほぼすべての株が上下動するが、それはPERの上下動によるものと考えてよいと思う。
こういう大変動の時は、金利の上下動は投資判断に際しては重きを置かなくても良いと春山は判断している、特に個別株投資に際しては。


PER一神教ではイケナイ
投資の世界は郷に入っては郷に従えであると書いた。
「PERよりもPBRの方が買い時/売り時を適切に判断できるセクターや企業」がある。そういう銘柄にPERを使うと失敗する。
一個の方程式ではすべての株を予想できないのが投資の世界の深さであり、面白さでもある。
例えば、赤字(=EPSがマイナス)の時は、PERが使えない。
その四半期だけ赤字で次四半期からは以前の状態に戻るような企業はPERで良いのだが、赤字と黒字を定期的に行ったり来たりするような性格の企業はPERで投資判断をするのは不適当だ。
PBRで投資判断をするような企業の多くは、「保有資産、その多くは工場や機械などの製造設備、をどの程度効率的に利用(=稼働率を高める)しているか」、つまり稼働率が毎回同じような上下動を繰り返すのだ。
だから、過去の稼働率の上下動を参考に、今のサイクルにおける現在の位置を判断して、これから訪れるピークを推定すればよいのだ。
この稼働率を反映したのが株価であるなら、PBRを見ていれば投資判断ができることになる。


空中戦銘柄は空中戦だと割り切ろう
近年のIPO銘柄の特徴は「赤字状態の時に上場する」のが常識になっている。
今後1-2年は赤字のままです、みたいなIPOも多くなっている。
IPOの常道だが、お化粧という問題がある。
直前の決算を良く見せるために違法すれすれの(中には架空売り上げなどの本当に違法の)利益かさ上げ行為が行われる。
お化粧によってかさ上げされた直前の企業決算を見せられた投資家は、「このペースだと急速に利益が改善してあっという間に黒字転換して、その後も利益が急速に増加する」と誤解してしまう。
その結果、IPOの初値はとんでもない高値になってしまう。
IPO後の直後決算はIPO時に事前のお化粧が工夫されることが多いので無難にこなせるが、その次はスッピン決算になって、化けの皮が剥がれる。
その辺を十二分に理解している熟練の投資家は、IPO直後の空騒ぎ(=空中戦)を楽しんだらさっさと足抜けしてしまう。
もみくちゃになった銘柄の常として、スッピン決算による失望以降はだれも見向きもしない銘柄になり出来高も急減してぺんぺん草状態に陥ってしまう。
ひどい場合は、経営者が「IPOゴールでゴール! その後の企業業績には興味が無く、インサイダーまがいのM&A合戦にご執心」という低品質のIPO銘柄もある。
近年のIPO銘柄は、鉄鋼・自動車・銀行などの枯れた世界の銘柄とは別世界の住民なのだ。
空中戦銘柄はあくまでも空中戦だけでまっとうな投資とは別だと割り切ることが大切だ。
IPOの全部が全部そうだと決めつけるわけではないが、そういうIPOもあるのだと十分に理解しておくことが「転ばぬ先の杖」になるだろう。


ROE&配当利回りは株価予想には使えない
ROEや配当利回りが高い銘柄はパフォーマンスが良いと言われるが、そういう銘柄を数多くパッケージ的に保有した場合の「好成績の後講釈」には使えるかもしれないが、個別株の株価予想には使えない。


最も株価が上昇する時は・・
株価が上昇するには、・・・
1:業績予想が上方修正される(=EPSの上方修正)
2:投資家の楽観度合が増す(=PERが拡大する)
・・・・が起こる必要がある。
ベスト・ケースは、1と2が同時に起こる時だ。
そんなことは滅多にない。

その滅多にないことが起こったのが、2016年のNVDA(↓)でした
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1418394368234086&set=a.138215109585358.29202.100001906080968&type=3&theater
 

最も株価が下落するのは、予想EPSとPERの双方が下がる時
順調だと信じていた投資家に、場が引けた後に突然「業績の下方修正」というニュースが舞い込んで来る。
ハシゴを外された投資家は愕然となる。
翌朝の株価は大幅に下がる。場合によってはストップ安する。
業績は、▼10%の下方修正なのに、株価は▼30%も下がる。
下方修正幅を大きく上回る下落の原因はPERの低下
例えば・・・・
直前 :  予想EPS 200円 × 15倍 = 株価3000円
下方修正直後: 予想EPS 180円 ×12倍 = 株価2160円

予想だにしていない状況での業績下方修正は、大幅なPERの低下を引き起こす。
PERの低下とは、投資家の信頼性の低下だ。
失墜した信頼は容易には元には戻らない。
信頼を得るのは長い時間を必要とするが、失うには一瞬で事足りるのだ。
大幅下落を経験した銘柄が長期低迷する理由がここにあるのだ。

業績が多少回復しても、PERは元には戻らないのだ。
直前 :  予想EPS 200円 × 15倍 = 株価3000
下方修正直後: 予想EPS 180円 ×12倍 = 株価2160円
その後業績回復しても:予想EPS 200円 ×13倍 = 株価2600
いかにPERという投資家の信頼指数が重要かがわかるだろう。
一方事前に「マズイね、この状況では」などと投資家が懸念していた場合は、下方修正が発表されても大きくは下がらない。
懸念した投資家がそれなりの売却をするので、事前に株価が下がっているからだ


より馬鹿ゲーム
空中戦銘柄に参加する投資家の多くは「より馬鹿ゲーム」をプレイしている。
より馬鹿ゲームとは、「私はこの値段で買う、そして別の投資家がもっと高い株価でこの株を買ってくれるから、私は売り抜ける」から儲かる。
「もっと値上がりした時でも、その値段はオカシイとは思わずに買ってくれる」ような私より馬鹿な人間がいる、という考え方だ。
自分の買う値段が安いから株価が上昇する、というのではない。
株価が安いか高いかは判別できないが、より馬鹿ゲームには勝てる、だから参加する、という心理状態だ。


投資家は安定を高く評価する_1
1:毎年ヒタヒタと5%ずつ利益が増える会社
2:過去3年20%超の増益で今年も+20%増益が期待される会社
3:赤字と大儲けを行ったり来たりする会社だが、今年は+20%の増益
4:赤字と大儲けを行ったり来たりする会社だが、今年は+40%の増益
1,2,3,4は、それぞれ何倍のPERになるか?
経済や市場など状況が変わればPERが変化するが、あえて「傾向」という事で回答すれば
1:利益の確実性が高いので、PER=30倍
とにかく世界の投資家は「安全、確実」が好きだ
株式であっても、減益とか赤字などが程遠い企業に対しては非常に高いPERを付与する。

投資家は安定を高く評価する_2
過去3年20%超の増益で今年も+20%増益が期待される会社
ヒタヒタ5%増益企業の4倍の20%増益だが、投資家はそんな状況が長く続く事を信用しない、ヒタヒタ5%増益よりも賞味期限が短いと考えるものだ。
過去3年は好業績だが、それより以前を振り返ると赤字だったこともあり、増益率は変動している。
しかし当面の勢いを評価するので、PER=28倍
つまり、ヒタヒタ5%増益企業よりも低く評価されてしまうのだ。
人間は、それほどまでに不安定さを嫌うものだ

投資家は安定を高く評価する_3
1:毎年ヒタヒタと5%ずつ利益が増える会社
2:過去3年20%超の増益で今年も+20%増益が期待される会社
3:赤字と大儲けを行ったり来たりする会社だが、今年は+20%の増益
4:赤字と大儲けを行ったり来たりする会社だが、今年は+40%の増益

3と4は、前述したようにPERではなく、PBRを使う方が投資判断的には適している
それでも、あえてPERで表現すれば以下のようになる
赤字業績の時:PERは存在しない、もしくはマイナスのPER になる
業績予想が水面上に浮上した初期:PER=60倍
これが、3に該当する
復活が明確になり上り調子の時:PER=12倍
これが、4に該当する
ピーク・アウトが始まる直前(頂点):PER=6倍

つまり、株価は稼動率とそれが生み出す将来利益を見ながら動いている。いくら景気が良くても工場のキャパという天井があるからだ。
だから、PERの推移を見れば最高の時(=ピーク・アウトが始まる直前の瞬)が、PERが最も低くなる
しかも、その時の株価は既にかなり下がっている、何故なら「過去の業績変動パターンを知る」投資家はピークの後に来るものを認識して売り始めるからだ。
重要なことは、1、2という企業と、3、4という企業は同じ投資尺度で測定するのは不適当だということなのだ
そんな使い分けなんて面倒臭い、誰かがルールを決めれば良いのに、、、というのは「お上に依存する」考え方で良くない。
市場は多くの投資家が切磋琢磨しながら「儲けたいという欲望」をぶつけ合っている生命体みたいなものだ。
株式市場は、各投資家の創意工夫で各自が投資判断を下して競い合うという意味で、フェアな場所なのだ

インデックスの問題点
世界の株式市場を横ぐしでPER比較して、USよりも日本は割安だ、もしくはその反対、などと論評する人がいる。
春山はナンセンスだと思っている。
各国市場の政治経済の状況、インデックスを構成する企業群の違いを無視して、単純に横並び比較して、割高/割安などと論じるのは不適当なのだ。
例えば、
A国;1、2類企業、80% 3、4類企業、20%
B国;1、2類企業、70% 3、4類企業、30%
上記のような2カ国をPERなどで横串比較ができないことは明白だ
一般的には、「1,2企業のPER > 3,4企業のPER」なので、自然体で計算すれば、A国のPER > B国のPER、ということになる。
しかも、3,4のPERが最も低いのは、頂点時である。つまり最も危険、一番割高な時である。
半面、1,2のような企業は、素直にPERの高い低いで考えてよいだろう。ただし同一市場内でだ。
市場、国が異なれば、似たような企業、似たようなビジネスでも異なるPERになるからだ。
たとえば、金利が低いC国(例えば、5年金利=2%)と高いD国(4%)の場合、経済算数的には、「高いC国のPER < 低いD国のPER」となる。
そして重要なことは、今後の金利動向が「C国は低下する、D国は上昇する」のであれば、D国は低いPERにも関わらず危険、割高なのだ。