2013年9月23日月曜日

宝の地図の作り方

毎日100通以上のメールが来る。
毎朝約2時間かけて「read or delete」の選別する。読むのは15通~20通だ。
そのうち保存フォルダーに格納されるのは、一週間で3~5通。
保存メールも定期的にチェックするが、年を超えて保存されるのは、年間で片手ほどだ。

賞味期限が短い情報は、新聞・雑誌・TVと同じような『事実の転送』物だ。
売りまたは買いという分析・判断まで踏み込んだ内容なら、賞味期限は長くなる。

アナリスト、エコノミスト、ストラテジスト、彼らは毎日の顧客向けレポートの作成を要求される。レポートの数が給与に比例するとも聞く。私の友人で自動車のアナリストは年間200本もレポートを作成する。数量評価基準もレポートが粗製濫造される要因だろう。

しかし!
レポートは投資の地図の出発点だ

1:レポート作成者は、質問や感想などの反応を待っている。
質問や感想から、両者の会話が深い議論へと発展する。
それがレポートの賞味期限を伸ばし、レポート作成者と読み手の双方が付加価値を得る。

BLOGを始めて思うことだが、過去の記事と最新の記事が有機的に結合することによって、価値が倍増する。まるで脳細胞のニューロン結合のようだ。この有機的な結合作用は、他人との間の情報のキャッチ・ボールでも妥当する。

レポート情報は、お互いのやり取りで、単なる情報から『宝の地図』に変身する。
宝の地図は、共同作業で作っていくもの。これが私の信条だ。

2:何をポイントに情報のキャッチ・ボールをするか?
(1)大きな部分
Potential、終着点を見極める
このビジネスがどこまで大きくなれるのかを判断する。
ライバルが参入して価格競争が始まる可能性を判断する。

(2)小さな部分
タイミングの善し悪しを判断する
収益モメンタムを織り込んで(=先読みして)、株価上昇のモメンタム発生の判断

(1)(2)いずれも、世間的に「懸念が残っており、反対する投資家が多い」状態が望ましい。
彼らが徐々に「弱気に白旗」をあげて「嫌々ながらも強気陣営に参加する」プロセスが期待される。

3:分かり易い事ことが、何にも増して大切だ。
異才・天才でない普通の投資家には、『分かり易い』ことが重要だ。

これは良さそうだ、これは儲かりそうだ、これいいんじゃない、これらは判断だ。
判断は、自分自身の能力の範囲内、つまり"知識・経験に基づく脳内に蓄積された判断ソフトウェアの処理能力範囲内で行われる。

買った株をその後どうするか(買い増し?、売却?)という判断は、買うことよりもさらに重要な判断だが、この判断もやはり、自分自身の能力の範囲内でしかできない。

自分が充分理解できた事(投資テーマ)なら、自信を持って投資できる。
その後その会社に発生するニュースも落ち着いて判断できる。

反対に、自分の理解・判断ではなく、他人の意見・判断に乗ったような投資では、その後その会社に発生するニュースに対して、どう判断してよいか分からず、追い詰められて、売買して失敗する。

自分の理解・能力の範囲内だと、儲けが少ないだろうが、逸脱して損失を重ねるよりはマシだ。

A progress in thinking is a progress toward simplicity.
広瀬さんのコメントにあった言葉だ。
偉大な投資銀行家のシグムンド・ウォーバーグが口癖のように言っていた言葉で、実に含蓄のある言葉だ。

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