2013年8月23日金曜日

投資家の平常心は、株に対して悲観的である

前回「投資家≠市場」ということを書いた。
本日のテーマ「投資家の平常心は、株に対して悲観的である」の"投資家"とは、売買をしない人も含めた投資家である。
また、「"投資家"がどう思っていても、"市場"は異なる方向に動く」のだが、これに関しては今日は触れない。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

自信を持って投資行動をしている人は少数だ。
多くの人は、自分の判断に不安を持ちながら投資している。

魅力的な企業だと判断して、AとBの2社に投資した投資家がいる。
Aは購入後5%上昇したが、Bは5%下落して、2銘柄合わせると現在の損益はゼロである。

こういう状況で、投資家が考えることは・・・・
1:Aはもう上がらず、Bはもっと下がると不安になる。
2:Aは下がるかもしれないが、Bは買い値まで戻ってくると期待する。
・・・・・・これが一般的な投資家の心だ。

1、2を合計すれば、相場全体がやや下落すると、投資家は心の中で判断していることになる。

3:Aは上がり続け、Bは反転上昇する、と考える投資家は非常に少ない。
4:Aは反落し、Bは下がり続ける、と考える投資家も、少ない。
今回は、3、4の少数派は除いて話を進める。

現金を保有していれば、財産金額は減らない。
株は価格が変動するので、どちらかと言えば、下落して財産が減る可能性がある。
「変動する=上下に等しく動く」ではなく、下がる方を多めに心配してしまう。
これが普通の人間の普通の心理状態だ。
だから、「人間の平常心は、株に対して心配である」という傾向を作り出してしまう。
心配=悲観的、と新聞、雑誌、ネットなどのメディアでは、表現する。
心配より、悲観を、メディアは好む。メディアは正しい表現ではなく、インパクトのある表現を採用するビジネス・モデルだ。

市場をどう思いますか?
街頭インタビューされたら、ガンガン上がると思いますと答えて、ノー天気と思われるよりも、慎重に考えていますと無難な受け答えをする。
これは、今回の趣旨とは別の話なので、今日は触れない。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

さて、Aは購入後5%上昇したが、Bは5%下落して、2銘柄合わせると現在の損益はゼロである、という時に最も多く見られる投資行動は、
あ:A、B、ともに放置する
という投資行動であり、

次に多いのが、
い:Aを売却して、Bは残す
というものだ。

第三者が客観的に判断すれば、
1:Aはもう上がらず、Bはもっと下がる
と思うなら、AもBも売却するのが正しい。
あ:A、B、ともに放置する
のは、間違いだ。

2:Aは下がるかもしれないが、Bは買い値まで戻ってくる。
と判断したのであれば、
い:Aを売却して、Bは残す
という決定は正しい。

ただし、
a)検討を加えたうえで判断したのか、
b)検討作業をせずに根拠なしに期待しているだけなのか、
この違いは回数を重ねるごとに、大きなリターンの差になって表れてくる。
期待と現実のギャップ、これも面白いテーマなのだが、今日はココデオシマイ

facebookコメントヘ