2016年9月29日木曜日

春山ルール22 : 前回バブルの主役には触ってはならない

前回バブルの主役には触ってはならない
金融、資源エネルギー、、、これが前回バブルの主役だった。

春山は、これには投資しない。
短期のキャッチアップラリーはあるだろうが、そんなモノは他人にくれてやればよい。
それらのキャッチアップラリーには持続性が無い

バブルの腐った負債の処理には投資家が予想する以上の苦難と時間がかかるものだ。

そろそろ、
ここまで下がれば、
底打ったからここからは、
タイミングよく売買をできるトレーダーは儲けることが可能だろう。
普通の投資家は、骨折り損のくたびれ儲けが多いものだ。

そんな事に労力を使わずに、今の相場の主役に集中すべきだ

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2016年9月25日日曜日

債券投資家が牛耳る世界

過去にも書いたけど、春山は内外の債券為替と株式という順番でやってきた。
原点は債権為替だけど、今では特定資産に偏った思い入れは無い。

そして、「*+*が***よりも優れている」という考えも持っていない。
何で儲けようが、100万円は100万円だと考えている。

この数年感じていることだが・・・私が社会人になった頃はマイナーなオタク的存在だった債券投資家が、今では株式投資家を圧倒する存在になってことに隔世の感を覚える。

かつては、一番偉いのが審査部&調査部(貸付審査などの企業調査が主たる業務)、二番目が融資部、その下に証券部があって有価証券第一課が株式投資課で有価証券第二課が債券投資課という序列で、債券投資は最下位の位置づけだった。そして春山は、有価証券第二課という場所で証券投資人生をスタートした。

私が証券投資の世界に入った80年代中盤の状況はそれが変化を始めた頃だった。
国債のディーリングが始まり、国際窓販が始まり、、と続き今日に至っている。
1994年までは金利は上下動していたが、1995年を境に金利は下がる一方になった。

( 下図は、国債先物金利の推移 )


債券金利は下がるもの、円は上がるもの、という条件反射的なDNAが債券投資家には刷り込まれた。

( 下図は、ドル円推移 )

同時に、株は下がるもの、というDNAも・・・・

( 下図は、日経平均株価推移 )

そのような20年にもわたる長期安定金利低下&株下落相場の結果、今日の日本は「債券投資家95%、株式投資家5%」という感じになってしまったと、春山は観察している。

投資家的な勢力図では、円高デフレ万歳派が95%という事だ。
円安インフレは困るのだ。

投資関係者に情報を提供するメディアも、そのような勢力図に対応してPVを稼ぐ必要があるから、常に「円高&デフレ」方向を予想する記事が多数になる

これは証券会社の株式ストラレジスト&アナリストが、いつも買いしか言わないのと、
DNA的には同じだ。


こういう構造要因を非難してはいけない。
そういう業界要因があることを理解して、上手に付き合うことが必要だ。

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2016年9月18日日曜日

インドと中国の”レース”

1950年代までは、インドがアジアの国際政治では主導者的立場だった。
経済面でも、インド>中国だったと思う。

いつだったのだろう? 
中国>インドになったのは

何故、そうなったのだろう?

毛沢東の文化大革命による政治と経済の大混乱を経て、これじゃイカンと英断した鄧小平の経済自由化政策を契機に、「中国>インド」になっていったと思うのだが、もっとしっかり勉強してみたい。

また、インドには鄧小平が出現するのか?
出現するには、中国が経験したような悲惨な時代を経る必要があるのか?
インドの事情と中国の事情の違いを踏まえて考慮する必要がある。

また、中国が外交攻勢をかける時は、
1:その必要性がある
2:軍事的な攻勢にでる余裕がない
という背景があった、、これが過去の共産党中国の歴史だ。

これが2016年時点でも該当するのか?
この辺も考える必要がある。



この本(世界の歴史 (28) 第二次世界大戦から米ソ対立へ)を読みながら、アジアの国際政治の変化に関して勉強しようと思う。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4124034288/ref=oh_aui_detailpage_o02_s00?ie=UTF8&psc=1


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2016年9月17日土曜日

固執せず、自由になり、全体を見る

債券投資家と株式投資家の基本的な心理状態、もしくは深層心理に刻み込まれたDNAは異なっている。

仕事としての投資に関して、円債からスタートして、外国債券、為替、外国株式、日本株式という順番に相場の世界を経験してきた春山(商品は未経験なんです)なのだが、体験として「株と債券の投資家の心理の違い」は良く分かる。

「ビジネスの
円債投資家(=運用手数料で生活する)」であれば、円高&デフレは円債のパフォーマンスを向上させるので、世間は困るかもしれないが、自分の給料やボーナスは増える
逆に、景気が良くて民間企業の給与やボーナスが増えても、金利が上昇していると債券のパフォーマンスは悪化するので、自分の給料やボーナスは減ってしまう。

債券部門で働いていた時に、「俺たちゃ、不景気という世間の不幸を喜ぶ商売なのさ」と先輩が言っていたのを覚えている。

外国債券と為替を担当するようになると、景気鈍化による金利低下は嬉しいいものの、円高は困るなという複雑な気持ちに変化した。
そして外国株式、日本株式と守備範囲が広がるに連れて、心理状態はさらに変化していった。

内外の株と債券と為替の全部を経験して今では、株だろうが、債券だろうが、商品だろうが、為替だろうが、長期投資だろうが、ディトレだろうが、カラ売りだろうが、、
何で儲けようと100万円の儲けは100万円だと達観してしまうと、債券が安心とか株の方が良いとか固執しなくなる。
(参考:何で儲けても百万円は百万円である
固執しなくなる=自由になる=全体を見るようになる、、そういう事だと思う

さて、証券投資の世界を地球上空から見れば・・・
投資家が10人いて、7人が債券投資家で、3人が株式投資家
資産が100あれば、債券(預貯金、MMFなど短期金融商品を含む)が80で、株式が20
・・・こんなイメージだと春山は思う。

日本の個人金融資産に占める預貯金の割合は驚くほど多い。
証券投資の中では、債券物が圧倒的に多い。
日本上空から見れば・・・
投資家が10人いて、9人が債券投資家で、1人が株式投資家
資産が100あれば、債券(預貯金、MMFなど短期金融商品を含む)が95で、株式が
・・・こんなイメージだと春山は思う。

日本人は元本の増殖よりは金利収入を好む、、と言われる。
しかし、証券投資を仕事としてから7-8年経過したころに、「どうも違う」、正確に言えば「元本の増加減少を考えようとしない」のだと分かってきた。
でも金利だけは厳しく比較する。

将来のことはわからないのだから、考えてもしょうがないだろう、どうせ当たらないだろう、考えるだけ無駄だよ、、、極端に言えば、そういう心理状態だろう。

結果的に、
元本の将来動向を考えようとしない
しかも、少しでも高い金利水準を盲目的に選択する。

以下は、極端な例かもしれないが、春山が実際にセミナー終了後にお客様との自由懇談時に経験した会話だ

春山:豪ドル建*+*という商品をお持ちですね。元本は将来的に不確定ですよ。為替が変動するから
お客様:いいのです、毎年結構な金額が年金みたいに口座に振り込まれるから
春山:でも長くは続かないですよ、既に元本を食いつぶしている蛸配当だから
お客様:意味が分からないけど、セールスの人は将来はわからないけど大丈夫でしょう、と言ってました。
春山:セールスの発言は口から出まかせだから、気休めにしかなりませんよ。
お客様:いいの、考えてもわからないから

春山:株のファンドはいかがですか?
お客様:いいの、株はわからないから手を出さないの

考えてもわからない、なら手を出さない、投資的にはそうです。
分からないから、株には手を出さない。。。なるほど
でも、債券なら分からないけど手を出す。。。。えーっつ!???
こんな行動じゃ、大切なお金を投じるのが、鉛筆転がすのと同じで、投資じゃないと思うのですよ。

皆様には、全体を見て欲しいのです。
毎年、ほんの少しだけ向上すれば、のほほ~んとしている人よりは確実に上手になり、損失を回避して儲けを増やせます。
これって人生で最も大切な行動の一つだと思います。

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2016年9月16日金曜日

金利上昇が経済を活性化させ、経済を浄化し、格差を拡大させる

US経済は健全さを回復し、順調さを増している。  
一般人は景気の足腰が強くなることを歓迎する 
しかし、株や債権の投資家は歓迎しない 

金利の上昇は債券価値を引き下げるので、債権の投資家には悪夢だ。金利が一旦上がりだせば、一定レベルまでは上昇が続くので、その間は保有債権が損失を被り続ける。 

株式投資家にとっても、金利の上昇は株の価値を計算する際の「割引率上昇=コスト上昇」を意味するので、株価のフェアバリューが低下してしまう。 
ただ、しばらくすれば経済の正常化の恩恵によってEPSが増額修正されるから、株価は下落調整分を乗り越えて高値を更新するものだが、その間の下落幅や調整期間の長さは悩ましいものだ。 

もっとも先物やオプションがあるから、空売りポジションを現物以上に持てば、金利上昇局面でも利益を出せる。
それは債権でも株式でも同じだ。
そうは言っても、空売りを大々的に使う機関投資家はほとんどいない。 

過去の事例が教えてくれることは、金利上昇が景気を殺すような水準になれば、「経済の正常化の恩恵によるEPS上昇」は消える 
だから、その時は株式からは撤退すべきだ。
しかし、殺さない金利水準であれば期間利益率は低下するものの株価は上昇を続ける。 

したがって、次回のFedによる利上げは「景気を殺すか否か」というポイントのみにフォーカスすれば良い。 
おそらくは次回の利上げ(9月だろうが、12月だろうが)は非常に限定的な幅に留まるので、景気を殺すことは無いであろうと、春山は思う。 

ここまでは普通の話だ。 
これ以降が今回の特異な重要項目だ。  

普通なら金利上昇は景気モメンタムを低下させる。 
しかし、現状においては長期金利(=企業の借り入れ金利)を上昇させると景気が加速するかもしれない 

2016年の春までは、どんどん金利を低下させた。

景気が好転しても、リーマン・ショックの後遺症が残っているので心配だという理由から、世界中の中央銀行が前例の無い金利低下を演出した。

日欧では長期金利までがマイナス金利になった。 

このような状況では、金を借りてビジネスをしようと考えている側からすれば、待っていれば、もっと安く、もっと大量に借りられる」という状態なので、企業は金を借りてビジネスをする投資行動を先送りさせた。 

しかし、これで金利低下が打ち止めだとなると、「ぐずぐずしていると、金利が上がるかもしれないし、借り入れ希望金額も削られるかもしれないという「焦り」が生じる状況に変化する そもそも景気は底打ちして好転しているのだから、ビジネスの失敗リスクは景気の最悪局面よりは遥かに小さいのだ。 

つまり、2016年の世界の状況からすれば、景気のさらなる改善のためには、「長期金利が上がりそうだ」という雰囲気が必要なのだ。
債券用語的には、長短スプレッドのワイド化、イールドカーブのスティープニングが必要なのだ。

ただし、長期金利上昇による景気改善の恩恵は不平等に起こる。
やる気のある企業、リスク・テイクの旺盛な国や民族、伸び盛りの産業、そういった処には恩恵が
大きいだろう。

反面、自ら行動しないブラ下がり族が多い企業、横並び意識に支配された国や民族、成熟した産
業、そういった処には恩恵は無いだろう。


さらには、金利上昇は「正常な経済と金利の世界では生き延びられない、異常な低金利でのみ生存可能な企業を淘汰する」という経済の浄化作用を発揮する。


金利低下は広い範囲に恩恵をもたらすが、金利上昇は狭い範囲に集中した恩恵の配分になるのだ。

その結果として、正常な格差への回帰、異常な低金利が維持してきたアンフェアな平等の是正、、、結果としての格差拡大が起こる。



投資に際しても、恩恵が配分される所に資金を集中すべきだと思う。