2015年8月4日火曜日

上海株の暴落_4:2015年の上海株式市場の急騰の評価

株が上がるには、それなりの理由がある。
数年後に判断しても正当な理由もあれば、あの時は何故あんな馬鹿なことを考えたのだろうという不当な理由もある。

<<正当な理由>>
国家主席就任後、長きにわたった江沢民グループとの政争に打ち勝ち権力の完全掌握を2014年8月に果たし、その直後に「我こそは鄧小平の後継者なり」という改革開放路線の推進宣言をした。
 これにより、政府の軸足が「政争から、経済運営へ」という株式市場にとって最大のプレゼントであったことは株価上昇の正当な理由であり、現在でもそのファクターは生きている。
また李克強の経済政策(リコノミクス)が、8%以上の高成長に決別し、5-6%の安定的な中成長の経済体制に移行しつつあることも、「経済の安定こそ、株式市場のもっとも好感するファクター」だという意味で、正当な理由だ。

<<消えてしまう理由>>
一方、国営企業の体質改善に株式市場を活用するのが政府の方針だから、株価は上昇を続けるハズであり、株式市場は下がらない、もしくは下がると政府が対策を講ずるからドンドン強気で買い続けても大丈夫だ、これは正当ではない。

下図は、上海株式市場(赤)と香港株式市場(緑)の株価推移と、香港と上海の「両市場に上場されている同じ株」の株価のかい離(=AHスプレッド、いわゆる一物二価の程度)だ。
香港市場では、海外の機関投資家が多く参加しており、PERなど企業のファンダメンタルに対する株価評価を考慮した株価形成が機能している。
しかし、上海市場では外人投資家は極めて限定的にしか参加が許されておらず、実質的に上海市場は海外から隔離されている
そして、出来高の90%が短期投資専門の投機家で占められている
それゆえ上海株式市場では、上がりだすとフェア・バリューなど無視した投機バブルと化してしまう。
今回もそういう小さな投機バブルが起こっただけだと思われる。

facebookコメントへ