2015年7月26日日曜日

名古屋セミナー:その3

1:現在の経済はサイクルの中期
景気サイクルは、初期中期後期に分かれるが、2015年は中期に位置している。

米国経済の初期フェイズは、バーナンキがFRB議長だった時代だ。

懸念と実態の綱引きゲームという視点で分析すれば、実態経済はまだまだダメでも、投資家の将来に対する懸念が減っていくのが初期だ。

株式市場は急上昇(年率20%を超えることが多い)しますが、株価の上下動の振幅の幅(volatility)が大きいのが、初期の特徴だ。



中期フェイズは、イエレンFRB議長の時代だ。
中期になると、実態経済はジリジリと改善を続けていることを投資家は認識するが、別の懸念が再び頭をもたる。

景気が良い、だからFRBが金融緩和をやめて利上げをするかもしれない。金利が上がれば、景気が腰折れすると、投資家は懸念する。
そういう連想で株が上がらなくなる。一方、企業業績はヒタヒタと上がり続けている状況です。

つまり、投資家の「景気腰折れで企業業績が悪化する」という懸念(=悲観)と、改善を続けている実体経済に対する信任(=楽観)の綱引きゲームが中期だ。この綱引きは、中期の間中ずーっと続く。

中期の安定的な株式市場を勘案し、現在のトレンドが維持されれば、年末のNYダウは約19000ポイントに到達するだろう。

( 下図は、前掲図の再掲 )


綱引きが終われば後期だ。
後期は2パターンに分かれる。
(1)中央銀行の金融引き締めが大きすぎて、景気が窒息死する。
(2)何かのブームが大きくなり、大きなバブルに成長するも、最後に破裂する
そのどちらになるのか、今日は判定ができない。


2: まとめ