2015年4月14日火曜日

地政学的リスク イアンブレマー講演 (4)

(6)ギリシアはEUから離脱しない

ギリシア政府がEUに留まりたいと言う限り、EUに留まるだろう。
しかし、NATOからの離脱は有りうる

ウクライナの問題は、EUのオーバー・ストレッチに対するロシアの引くに引けぬ対応だ。

1991年のソ連の崩壊以降、ロシアは改革を進めるにあたって、USや欧州を信頼した。
しかしUSや欧州は、旧ソ連圏の国々を「資本主義化&民主主義化」する事にだけ興味があり、1998年のロシア危機に際してはUS(ルービン財務長官)はロシアの救済を意図的に遅らせて、ロシアを破綻に追い込んだ。

その後も、EUは東欧中欧国家を取り込んでロシアとの国境に迫った。
中でも、旧ソ連圏の国家をNATOに加盟させ、その国土にNATOの基地やミサイル防衛網(対ロシア戦略)を配備させた。そんな国家がロシアの隣国まで拡大した事に、ロシアは大いに苛立ち、怒りを覚えている。

特にウクライナは、ロシア発祥の地であり、ウクライナをEUに加盟させたり、NATO加盟+ミサイル配備という状況にすることは、ロシアにとっては絶対に許せない。

現在のギリシアの苦境に際して、「金融の武器化」を利用して、ギリシアにロシアの軍事基地を持つことに、ロシアは目標を設定しているだろう。

またサウス・ストリームと呼ばれるガス・パイプラインをギリシア国内を通って他の欧州へ伸ばすことも考慮している。その基地とパイプラインの使用料を高額にして実施的な援助として支払うことは、戦略的に合理的だ。

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