2015年1月20日火曜日

値上げできるから、給与が増える

値上げが出来ると、ボーナス・給与・時間給が増やせる。
値上げが出来ないと、増やせない。

景気回復、逆資産効果の終焉、株価や不動産価格の反騰の恩恵により、高価格品・高級品の消費が復活増加している。
売り上げ不振時に行われていたディスタウント販売が減少し、一部では値上げも始まっている。

一方、生活必需品や基礎的食料品に関しては、アベノミクス以降も消費数量に変化が見られない
これらの商品に関しては、商品の性格上、逆資産効果の悪影響が無きに等しかったのだから、アベノミスクの景気回復による資産効果の恩恵も無い

消費景気は、楽しむ分野、高品質、高価格という分野が恩恵大であり、需要の拡大にともない、供給量の増加と商品サービスの多様化も進んでいる。

労働関係は風雲急を告げている。景気回復の恩恵を受けている業種を中心に、ビジネスの拡大、採用増加という流れが生じており、賃金上昇など労働条件の改善が進んでいる。

しかし、景気回復の恩恵から遠いビジネスでは、企業業績の改善が見通せないため、ビジネスの拡大、採用増加という流れは見えない。労働条件の改善をするにも、業績動向が利益が出るか出ないかのスレスレ状態であり、賃金を引き上げたくても困難だ。


円高デフレで経済が低迷する状態が20年以上継続した日本では、労働者の余剰が顕著になり、労働者の値段が下落した。安い時給でいくらでもパートやバイトを採用できる状態が長期化した。

その状況が大きく変わった
始まりは、2011年の3・11東日本大震災だった。復興と原発事故のために、突然大きな労働需要が発生した。建設需要が中心だ。

そして、2012年10月以降のアベノミクスによる景気回復で完全に変わった。
様々な分野に広がる業績改善企業は、パート・バイトの時給を大幅に引き上げたり、正社員化を進めたりして人材の確保に走っている。

引き上げられない業態からは、パートやバイトが流出している。やる気のある人材・優秀な人材ほど、やりがいがあり待遇の良い仕事に動いている。
その結果、引き上げられない業態のパートやバイトの質は低下する。

なお、アベノミクスによる景気回復の特徴は以下のようにまとめられると思う。
1:不動産価格の上昇は、東京が中心、そして名古屋・大阪・福岡、他の地域は恩恵が少ない
2:株は、恩恵が大きい
3:消費景気は、楽しむ分野、高品質、高価格が恩恵大で、値上がり+供給量の増加、商品サービズの多様化が進む
4:生活必需品や生きるための基礎物資は量的な拡大が起こらず、値段もあまり上がらない
5:経済全体の合計は改善するが、上下差などの格差が広がる
6:所得格差の拡大により、一物多価があちこちで見られるようになる。同じトマトが、A店では100円、B店では30円、来店客層の違いで価格が変化する。

この傾向は、多分オリンピックまで続くだろう。