2013年10月21日月曜日

「1%増やす」、これを「1単位」とする考え方

前回ブログでは、資産を「100万円増やす」、これを「1単位」とする考え方を紹介した。

金額に固執しては失敗をする、間違いやすいと感じる人が多いだろう。
では、「1%増やす」、これを「1単位」とする考え方を同様な基準で紹介する。

年間の投資可能日数は、200日、50週、12か月、4四半期、2半年、1年

毎日1%資産が増えれば、年間で資産は631%増える。7.3倍になる。日々複利で200日間の効果だ。
以下、同様に・・・
毎週1%資産が増えれば、年間で、資産は64.5%増える。月次複利で50週の効果だ。
毎月1%資産が増えれば、年間で、資産は12.68%増える。
四半期1%資産が増えれば、年間で、資産は4.06%増える。
半年ごとに1%資産が増えれば、年間で、資産は2.01%増える。
1年で1%資産が増えれば、年間で、資産は1%増える。

一定期間に、1%資産を増やすことを目標に設定するとは、上記のような事を意味する。

面白いことに、1日や1週間で1%というと、「投機的だ」という答えが返ってくる。
一方、1年や半年で1%というと、「そんな低パフォーマンスならサルでも可能だ。私はもっと優秀だ」と言いた気な顔をする人が多い。

その背景は、「1年で10%資産を増やす」ことが「適切であり十分に可能」だという考え方が大勢を占めているからだ。しかも期間は1年間が適切だいう考え方も染みついている。
しかし、1年で10%という基準は、強いて言えば今日的には間違いである。


1975年1月から2013年9月まで、各月末を起点する12か月リターンを計測して分布図を作成したのが下図だ。
データ数、453個、単純平均:5.1%

これを示しても、「世が世であれば、バブル崩壊なかりせば、年10%が正常だ」と主張する人はかなり多い。



ちなみに、バブルは始まったプラザ合意(1985年9月22日)以前のデータ116個の平均は、11.6%だ。
1年10%という固定観念は日本が上り坂の時、輸出大国の時期のデータだ。

そんな昔過ぎるデータをベースに現在を投資するのはオカシイのであり、あの世でやって欲しい。
現世では現世の実態に即した投資戦略を立案実行すべきだ。

プラザ合意以降の平均リターンは、2.8%
しかも、プラザ合意以前と以後の際立った違いは、volatilityの大幅な上昇だ。

リターンが下がり、volatilityが上昇する。最低の市場環境だ。
そんな最悪の投資環境が、安倍首相の登場で終了したことを期待している。

さて、昔はbuy & hold戦略が最善だという主張が一定の根拠を持っていた。
リターンが10%を超えており、volatilityは今ほど高くなかったからだ。良好な市場環境だったのだ。

しかし、volatilityが大幅に上昇した現在の投資環境下では、単純なbuy & hold戦略は非常に危険になっている、少なくとも統計的には「Yes!」である。詳細説明は省略する。

投資環境が変われば、投資戦略は変化する。当然のことだ。
long-onlyだけ → longもshortも使う、このような変化は当然の帰結だろう。
short戦略を使わないなら、一定リターンが達成された時には、現金ポジションを持つことが安全のために重要になったと言える。

また、volatilityが高い状況では、投資期間は可変的に変化させる方が、安定的なリターンが得られる。この辺も詳細は省略する。
( もしくは、その市場を信用して心中する覚悟で、自分の投資人生が終わる(現金化が必要な時)まで売らない )

なお、足元のアベノミクス相場は、「踊らにゃ損々」相場であるという冷徹な認識が必要であり、今後のある瞬間では「はい、踊り終了!」の判断が肝要であることは、言わずもがなである。

今回は、文字と言葉だけではなく、一個の図を使ってしまったが、仕方が無い

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